種子島までH-IIA 7号機の打ち上げを見に行ってきました。
これから種子島へ打ち上げを見に行こうと思う方のために、予約から帰宅までをまとめておこうと思います。
12月頃だったと思いますが、新聞で2005年の冬期にH-IIA 7号機の打ち上げが報道されました。この時点では正式な日程は決まっておらず予約のしようもないため、JAXAのWebをこまめにチェックするようにしました。
2月初旬、2/24夕方打ち上げ予定との新聞報道。
とりあえず足と宿の確保を考えます。
まずは宿。宿のリストはWEB種子島の宿泊情報で入手しました。
宇宙センターが南種子町にあるので、まずは南種子町の宿に片端から電話しますが、何処も満室。リストの半分までかけても取れないので、少し離れているかもしれませんが中種子町を先に当たってみることにします。
場所を確認すると中種子町の南種子町との町境に近い種子島温泉ホテルがあったので電話してみたところ、1部屋空いてるとのことで23、24日を予約しました。
予定としては打ち上げの前日23日に現地入りし下調べと宇宙センターの見学、25日は夕方打ち上げのためにもう1泊します。もし打ち上げが延期になるようであれば宿泊も延期することになります。
飛行機は東京→鹿児島は便数も多くそれほど心配はありませんが、鹿児島→種子島が便数が少ないため空席状況を毎日チェックし少なくなってきたら予約することにします。朝一の飛行機だと割引があるのでこれを狙います。
2/15 2/23の朝一のJAC鹿児島-種子島 予約、2/21購入期限
2/17 鹿児島空港そばのビジネスホテルを予約しました。
2/20 東京→鹿児島 スカイマーク最終便 購入\20300
2/21 鹿児島→種子島 購入\5,350
2/22 悪天候のため26日以降に延期決定
以降という微妙な表現ですがとりあえず26日と考えて予約を変更します。
鹿児島の宿24日に種子島の宿25-26日に変更。
スカイマークキャンセル、取り消し手数料\3450
JACキャンセル、取り消し手数料 \920
JAC 25日の朝一予約
2/23
24日の東京→鹿児島 スカイマーク最終便予約、購入
宇宙科学技術館 施設案内ツアー 予約 25日11:00の回 10:50までに受け付けに集合
2/24
昼前にRSCのWebに26日打ち上げ決定が掲載。JAXAは昼過ぎ掲載。
ネットでJACチケット購入手続き
16:00退社して、羽田へ
17:55発予定が機体調達の関係で18:15発、徳島経由に。気流の関係でかなり揺れる
鹿児島20:30着
空港からホテルはホテルの車で移動。
空港そばのビジネスホテル「いり船」に一泊 \5040
2/25
7時起床 鹿児島は薄曇り
ネットで再延期無いことと現地の天気を確認。特に問題なし。
鹿児島空港まではホテルの車で送ってもらう。
鹿児島空港8:25発、種子島空港9:05着
機種はYS-11、国産旅客機で国産ロケットを見に行く。
座席もプロペラ横の窓際を選んだので目で見える分ジェット機より楽しい。
巡航高度に上がったと思ったらすぐに下がり始めました。
右の写真は種子島空港、天気は晴
バスはしばらく来ないのでタクシーで宇宙科学技術館へ。
交通機関の時刻表や電話番号は南種子町役場の観光-交通にまとまっています。
タクシー 空港9:15発、宇宙センター9:45着 \5240
宇宙科学技術館にはコインロッカーは無いが、受付に言えば荷物を預かってくれたので、宿にチェックインする前に直行しても問題ない。見学ツアー前に展示を一通り見る。
11:00-12:15 見学ツアー
無料バスツアー。JAXAの職員二人が説明しながら案内をしてくれます。
事前に電話予約、または当日でも空いていれば参加出来ます。
・ロケットの丘展望所
打ち上げ時期でないときは射点に行っての見学らしいです。
射場を見学 射場までは2kmぐらい。
ここで明日の立ち入り規制時間を聞いたところ、すぐには分からなかったのですが、ツアー中に調べて頂いたのかツアー後半で教えて頂きました。
分からないことが有れば聞いてみましょう。
・大崎第一事務所(H-II ロケット7号機実機)
H-II7号機1段目と2段目とH-II実験機1段目(燃焼試験用の)
H-II6号機の失敗で打ち上げが中止された幻のH-II7号機。
手を伸ばせば触れる距離に本物のロケットがあります。
EM(Engineering Model)とかではなく本当に宇宙へ飛ばすつもりで作った実物です。
EMでも実物なのですが、事故さえなければ宇宙に行ったはずの7号機とは気持ち的には別物です。
断熱材はサンプルを触らせてもらいました。重さや感触は、普通の発泡スチロールと変わりませんでした。元はクリーム色の断熱材が酸化してオレンジ色になるとのこと。
実験機1段目では木のような色の部品が目に付きました、7号機の方にもすぐには気がつかなかったのですが白く塗装した同じ部品があります。7号機の部品を見るとLH2等と書かれているのでロケットを保管する時に配管か何かを保護するための部品のようです。実験機の方の部品を見ると素材はMDFでした。これがそのまま宇宙に行く訳ではないと思うのですが、見慣れた素材がロケットに取りつけられているのを見てちょっと嬉しくなりました。
・総合指令棟(RCC)
打ち上げのテレビ中継等でよく出る関係者が集まっている部屋、実際はかなり小さいものでした。RCC内のPCのOSはWindowsNT。打ち上げ準備中に落ちたらどうするんだろう?たぶんバックアップ機があるんだろうけどちょっと心配です。
以上でツアーは終わり。バスで技術館に戻ります。
多少風は強かったものの天気は良くて気温も高く見学日和でした。
技術館の情報コーナーでJAXAのページが見れたので、再度状況確認、問題なし。
食事は技術館の中にも食べることが出来る場所がありますが、JAXAのページに職員食堂である竹崎食堂で一般人も食事が出来ると書いてあったので迷わず職員食堂を選びます。
昼休みで混んでいるかもしれないので少し時間をずらしていくことにして、屋外展示のH-II実物大模型を見に行きます。組上がった大きさを実感しますが、さっき見た本物の迫力には到底かないません。
13:00
RCC横の竹崎食堂(12:00-13:30)でカレーを食べる。\450。行くのが遅くて定食などは終わってカレーとスパゲッティーしかありませんでした。食べ終わって出るときには全て売り切れ。混んでいるかも知れませんが早く行った方が良さそうです。
13:20-
竹崎展望台(マスコミ用の展望台、展望台下の建物で記者会見などが行われます)、建物には入れませんが展望台には入れたので上る。一部のマスコミは既に機材の設置を始めていました。
ニュースでよく見る角度で射場が見えました。
13:40-
カーモリの峯展望所に登る。
14:10
宇宙センター最寄りのバス停「いわさきホテル前」に行く。バスは日に数本なので事前に時間を確認しておいた方が良い。
14:40
バスは南種子方面に向かい宿泊している宿方面には行かないのですが、とりあえず南種子町の中心部まで行き、乗り換えるかタクシーに乗ることにします。
15:10
上中あたりで宇宙が岡公園の看板を見つけたのでバスを降りて2.5km歩く。
私が歩いている間はバスもタクシーも通りませんでした。種子島ではタクシーが通りかかるのを待っていても、まず来ないことを痛感。
15:50
宇宙ヶ岡公園 射場までは約5km、竹崎展望所と比べると遠いし山が邪魔して射点下部が見えません。
タクシーが偶然来るとは思えないのであらかじめ調べておいたタクシー会社に電話してタクシーを呼びました。
15:55
タクシー着。タクシーで見物の穴場と言われる場所へ。
途中で長谷の展望所の横を通るが距離は宇宙が岡と同じようなものか
穴場着 射場が近い上に間には海しか無い。ひょっとして竹崎より近いのでは?
穴場の具体名を出さないのは意地悪ではなく、一応私有地らしく入り口に立ち入り禁止、ロケットの見学は長谷へと書いてあるから。ここは近所に場所を聞くべき民家もほとんどないし一人で行ったのでは見つけられなかったかもしれません。
場所だけ確認して宿へ。
16:30
宿着 タクシー料金\4520
チェックインして、近所の探索 コンビニが1kぐらい先にあるのはタクシーで通ったときに確認していたので、夜食と朝食用のパンと飲み物調達。
コンビニも町の中心部ならあるかもしれませんが、私が泊まったのが中種子町の南種子との境付近だったため、数が少なく食料調達も大変です。コンビニも自動販売機も都会の感覚で有ると思ってはいけません。見つけたらとりあえず買い込んでおいた方が良いかも知れません。
宿はPHS圏外でネットでの情報収集も出来ず。何故か外線も繋がらない。
射点移道は過去の打ち上げ記録を見ると打ち上げ予定の12-13時間前で今回17時打ち上げなので4時前までには着いている必要があります。
この時点では射点移道をどこに見に行くかはまだ決めていませんでした。
射場までの近さではロケットの岡ですが、深夜料金のタクシーで行くとかなりかかりそうなのと、宿から穴場への距離をつかんでおきたいので歩くことに。
風呂に入って夕食を食べ、射点移道に備えて21時には就寝。
2/26
2:30
起床。ビデオと三脚を持って徒歩で舗装道路を5km、未舗装の山道を1kmぐらい。道路でも街灯は少なく、まわり1kmぐらいに人一人いないような中を懐中電灯もなしで歩く。
月が満月に近いので雲は出ているけど足下が見えないほどではない。
3:40
穴場着、既に三脚が立てられ場所取りしている人もいるようだが、人影は見えず。
ノートは宿に置いてきたので、夜中でも起きてそうな友人にメールして射点移動情報を確認。予想通り4時からとのこと。
4:00
移動開始、この距離では動いているのが何とか分かる程度の速度です。
4:30
移動終了。この場所の欠点としては避雷針のタワーがロケット本体に重なり、写真を撮るには邪魔かも。
移動終了直前に場所取りしてた人が来て少し話す。
名古屋からキャンピングカーで来ているとのこと。延期前から来ていたそうです。
4:50
場所取りの為、三脚は残して帰る。
5:50
宿着。本番に備えてさっさと寝る。
11:00
起床、朝飯を食べて昼のニュースで状況確認、全国ではどうか分かりませんがローカルニュースではどの局も打ち上げはトップニュース。打ち上げ予定は17:09で変わらず。
12:30 宿出発
夜中と同じく徒歩で移動、穴場近くの観光名所にも寄る。
13:45着
入り口の立ち入り禁止の看板は無くなっていた。解禁になったのか?
人は既に20人ほど。昨日のバスツアーで一緒だった人もいました。
天気は昨日とは変わって、雲が低く、風も強く寒い。風による中止を心配する。
既に燃料注入も終わったロケットを見ながら昼飯を食べる。
今度はノートPCも持ってきたので状況確認。特に変更無し。
15時過ぎから徐々に人が増える。17時前には200人ぐらい。
地元の人が多いが県外ナンバーも結構多い。
16:40頃
誰かが家からのメールでカウントダウン停止との情報。
あわててネットに繋ぐと16:30頃の情報でX-60でホールド。
ラジオで18:25打ち上げで再開との情報
再度ネットに繋ぎ情報を確認
天候は時々晴れ間もあるが基本的に曇りで風も強いまま。
18:00頃
ネットで情報収集してる間に射場付近の散水があったらしい。
PHSがギリギリ圏内で受信状況良いところに行くとロケットが見えない
とりあえず状況に変化無し。今度は行けるとみんな思ってる雰囲気。
18:15
とりあえずビデオは回しておく。
18:20
公式観望所ではカウントダウン中継があるが、ここにはないので時計だけが頼り。
18:25
音もなくロケットが輝き出す。数秒遅れて音。
轟音は轟音なのですが想像していたよりは音が小さい。
ビデオは噴射の光で真っ白。絞って広角にして、後は双眼鏡で楽しむ。
雲が低かった為、10秒ほどで雲の中に入ってしまい見えなくなる。
音が消えるまで空を見上げる。
寒さのせいだけでなく、足が震える。
打ち上げ自体の感動は言葉では表せません。
帰りも徒歩。途中で夫婦で岐阜からキャンピングカーで来られている方にのせて頂く。感謝。
19:15
宿着。風呂入って、食事。打ち上げ成功祝いか食事も鯛の尾頭つき。
ビールと焼酎\950
明日の帰りの船の予約をしようとするが電話受付は終了しており、明日朝一で行うことに。
帰り着いた時点では打ち上げは見届けましたが、衛星投入までの詳細は分からず。
21時前のニュースで無事軌道投入を知る。
ニュースによると長谷には1500人集まったらしい。
2/27
7:00 起床
ジェットフォイル(ウォータージェットの水中翼船)トッピーの予約
バスは港に9:40に着く予定だが遅れると困るので10:00でなく11:20の便を予約。
別の会社のジェットフォイルのロケットは\4500と安いが日に3便しかない
普通のフェリーだと更に安く\3100だが、鹿児島まで3時間かかる。
7:30 朝食
8:30 空港行きバス\440
8:53 空港で西之表行きバスへ乗り換え
9:40 西之表港着\990
10時の船に変更し、チケット発券\6000
土産を買いに行く。土産はロケッ饅頭
10:00 トッピー出発
いつの間にか浮上。乗り心地は飛行機で少し荒れた気流の中を進む感じだが、
時速80kmで外海を走ってるとは思えない。
錦江湾に入ると更に静かになり安定した飛行機並のゆれ。
時速30kmぐらいに落ちたところで着水。
11:40 鹿児島港着
スカイマークに電話して鹿児島→羽田を予約 \25800
市電で鹿児島中央駅まで\160、高速バスで鹿児島空港へ\1200
実は駅まで行かなくても港近くからも高速バスに乗れたことに途中で気がつく
12:30 鹿児島空港着
鹿児島→羽田チケット購入\25800
昼食\1000
14:35 鹿児島発
16:00 帰宅
遠征の総費用は\95510でした。
今回の遠征の装備は
・ビデオカメラ Panasonic NV-DJ100
・デジカメ Nikon CoolPix990 打ち上げ時には使用せず。
・双眼鏡 タカハシ 10x60 ASTRONORMER
・ノートPC ThinkPad X31
延期を考えてPCとPHSの充電アダプタも持っていきました。
これに着替えなど普通の旅行の装備を加えてリュックが12kg、それ加えて三脚が2kgでした。
これを減量するとすれば、今回はノートPCで情報を集めましたが、これと平行して友人からも状況をPHSにメールしてもらいました。
明け方まで起きているような協力者がいればノートPCは無くてもPHSだけで何とかなりそうです。